車高下げる場合のスプリングレート、バネ長の初心者でもわかる選び方について!高めレート・ショートバネを買うべき理由。

車高調を買って、下げてみたけど、車高が思ったより下がらなかった場合「短いバネを買えば下がる!」と聞いたことはないでしょうか?
自分も全く同じで、知り合いから「とりあえず125mmくらいの倍ぐらいのレートかえばいいよ!」なんていわれましたが、買った結果、逆に車高が上がってしまった経験があります・・・
月々2万円までしか使えない自分としては、バネの購入費用も馬鹿にならない!というわけで、車高を下げる際のスプリングレート、バネ長の選び方について書いていきます!
車高を下げる場合スプリング(バネ)の選び方は?
今回は車高を下げる、ということに特化した場合のスプリング(以下、バネ)の選び方です。
バネを選ぶ際に気を付ける項目は以下の表の通りです。
項目 | 説明 |
車高調のバネの内径(=ID径) | 文字通りバネの内径。ID62といった形で記載。一番多いのはID 65だが、ラルグス,ブリッツはID62、326powerはID63と小さめ |
スプリングレート(Kgf/mm) | 車を支えるための力がスプリングレート。高いとバネが硬くなり縮まなくなるので、乗り心地が硬い。低いとバネが柔らかくなり、よく縮むが、極端に低いとフワフワして乗りにくい。 |
スプリング長 | 文字通りバネの長さ。車種のストロークの長さなどで決まってくる。 |
では、これらについて、どう選べば良いのか、記載していきます!
車高調のバネの内径の選び方
選び方については、自分の車高調のバネと同じサイズ。これしかありません!自分の車高調のサイズよりも小さいものは入りませんし、大きいものはガタが大きくなるのでオススメできないので・・・。
(ちなみに、極限まで車高を下げ、太ホイール・ハイキャンバーでサスのギリギリまで攻めているような場合には、IDの差によって、スプリング外径が多少異なるので、ホイールの干渉を逃すためにIDを下げる・・・なんてことは聞いたことがあります。)
参考としてわかる範囲で表にまとめてみました。(あくまで参考であり、車種によって違いますので、必ず自分の取り付けられている車高調でID径を測ってください。
ID | メーカー |
ID62 | ブリッツ、ラルグス、トラスト(GReddy) |
ID62~63 | 326power、イデアル |
ID65 | TEIN(リア)、クスコ、ファイナルコネクション、HKS、RS-R、アラゴスタ |
ID70 | TEIN(フロント)、タナベ |
スプリングレートの選び方
この選び方として、まず知っておきたいのが、スプリングレートとはなに?と言う話です。
スプリングレートとは、簡単に言えばバネの硬さです。レートが高ければ、その分硬いので、縮まらない。レートが低い場合には逆です。バネレートはkgf/mmという単位で表されますが、これは、ざっくりいうと1kgの力がかかると1mm縮む。というものです。
たとえば、前車軸の重量が600kgの車であって、停車中のフロント運転席側における縮み量をレートごとに考えると、
レートが低い場合;75mm=300[kg]/4[kgf/mm]
レートが高い場合:30mm=300[kg]/10[kgf/mm]

となります。レートが違うと結構違いますよね!しかも走行中、段差を超える時などは静止時の5倍の力がかかることもあるので、さらに差が生じます。つまり、レートをあげると言うのは、バネの縮む量を制御するということです!
そして車高を下げる場合には、フレームやフェンダーとの干渉を避けるため、ハイレートのバネを使うことが大半です。
ただし、一つ気をつけて欲しいことがあります。
ハイレートにしたことで、車高が上がる。
え、車高低いひとはみんなハイレートスプリングだよね?車高が落ちるんじゃないの?
単純にレートをあげてしまうと、1G状態でバネが縮まらなくなるので、車高は高くなります!
あくまで車高を下げるためのレート上げではなく、干渉を回避するためのハイレートスプリングです。
車高を下げるには次で説明するバネの長さが大きく関わってきます。ただし、車高を下げると言うことは、干渉が増えることとなるため、必然的にハイレートのバネが必要になるのです。
ちなみに具体的なレートはどの程度にすればいいのか?ということについては、干渉する部位までのストロークの長さによって変えるべきです。これが数cmしか余裕がないのであれば、50kgf/mmといったハイレートのスプリングも選択肢に入ります。
スプリングレートをあげた方がいい場合は、スプリングが柔らかくてフレーム等に干渉する場合です!
スプリング長の選び方
では、スプリング長はどう選ぶかというと、二つ状況が分かれます。
スプリングが長すぎて、ブラケットの下げ幅がない場合。
記載のとおり、スプリングが長すぎる場合です。フルタップ車高調はブラケットの位置を変えることで車高を下げて行きますが、最終的にスプリングシートとブラケットのロックシートが密着したところが一番下がっている状態です。ただし、
- ショックがドラシャブーツと干渉していない
- ブラケット自体がまだ下げれる(底付きしていない。)
と言う場合には、スプリングを短くすることで、まだ下げることができます。そのような場合には、自分が下げたい量だけ短いスプリングを買うといいです。
なお、注意点として、ショックカートリッジのシャフト部の長さより短いものを買うと、スプリングシートの位置がネジがない場所になってしまい、固定することができない(バネが遊んだ状態)となることがあります。
あえてそうすることもありますがそれが次の場合です。
ブラケットでの下げ幅がゼロで、さらに下げたい場合。
すでにブラケットが限界まで下げられており、さらに下げたい場合には、さらに短いスプリングをお勧めします。
では、短いスプリングでどう下げるのかというと、1G状態で全部縮んでしまうヘルパースプリングを併用し、縮みストロークを短くした分車高を下げる方法です。

この方法を取ることで、限界を超えて下げることができますが、ヘルパースプリングを入れる分、スプリングは短くしなければいけません。
では長さは具体的にどう決めるのか、というと自分は以下の流れで決めてます。
- ヘルパースプリングの0G長さを確認する。(=0Gの長さをXとする)
- ヘルパースプリングの1G長さを確認。0G長さから1G長さを引いた値がダウン量(=ダウン量はLdとする)
- 車高調のシャフト上部〜ショックカートリッジのねじ山部までの長さを測る(=長さをYとする)
- 長さY ー ヘルパーの長さY + ダウン量Ld = スプリング長

ようはヘルパースプリングを入れた際に、バネがちゃんと固定できる長さであればOKです。
また、ヘルパースプリングで下げる際、ダウン量を控えめにしたい場合は、プリロード調整で調節することが可能ですが、
スプリングが短いと途中でショックカートリッジのねじ山が足りなくなってしまうことがあるので、ダウン量をプラスしてます。(ただし、プリロードかけて0G状態で密着させることはないかと思うので、これよりは短くてもいいと思います。)
まとめ
まとめとしては、今後車高を下げるのであれば、干渉回避の観点からハイレート、また、さらに下げてもいいようにショートスプリング、を買うことをお勧めします。
ショートスプリングを買って、ヘルパースプリングで車高を落としたときに、思ったより下がりすぎたらどうするの?
その場合には、ブラケットを上げてあげれば車高が上がるのでOKです!ヘルパーを入れておくと、今後さらに下げたくなった時とかにも便利なので、お勧めです。
ちなみにこちらで、吊るし車高調状態で下がらない、といった場合の対処方法についてもまとめていますので、よかったらみてみてください!
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